先日、UE5のデモ映像が公開されました。
凄すぎて、夜中にテンションが上がりすぎてしまいました。
それに感化されて、近頃、追加されたUE4のいくつかの機能の検証を兼ねて、映像作品を作ってみました。
この記事では、機能を使用してみて、結果どうだったか?というのをまとめていきます。
今回、制作したショートムービー
音を少し大きめにして、4K 画質で見て頂けると嬉しいです。
序盤は暗いので、スマホの場合は画面の明るさを上げてみてください。
アセットは全てQuixel Megascansのアセットを使用しています。
こちらのコレクションはUE5のデモでも使用されていたものです。
使用してみた5つの機能、プラグイン
Modeling Tools Editor Mode
「Unreal Engine 4.25 Release Highlights | Inside Unreal」の28分頃から紹介しているツールです。
モデリングができるツールです。
「Edit」 → 「Plugins」 から 「Modeling Tools Editor Mode」を有効にすると使用することができます。
簡単な機能の説明
DCCツールのようにプリミティブから始めることはもちろん、頂点、エッジなどの移動、スカルプト、UVのプロジェクションなどができます。
11種類のプリミティブが用意されています。
分割数の変更やPoly Groupの設定などをすることができます。
プリミティブの生成という意味で割と十分です。
作ったプリミティブはStatic Mesh(SM)として生成され、後から変更することはできないようです。
また、Content Browserの方にもSMとして追加されます。
このようにメッシュを作成することもできます。
またスカルプト機能もあります。
ZBrushのSCULPTRIS PROのようにスカルプトしたところが分割されていく機能もあります。
全て紹介すると1記事分になってしまうので、また後程、機能の紹介や使い方の記事を書きます。
検証結果
慣れもありますが、まだ、DCCツールのようにモデリングというのは厳しいです。
ですが、簡単なモデルの作成でしたら、使えるな!というところです。
実際に今回の動画では、地面のベースに、これで作成したメッシュを使用しました。
似た機能に「Brush Editing」というのがありますが、これと併用して、レベルデザインに大いに役立つのではないでしょうか。
今後のアップデートに期待です。
Virtual Camera
このプラグインが追加されたのは最近というほどではないですが、動画のカメラアニメーションはこちらを使用しました。
簡単な機能の説明
iPadなどをカメラにして、実際にシーン内を撮影することができます。
焦点距離やF値なども撮影しながら変えることができます。
スタビライゼーションやモーションスケール、回転をロックする機能などもあります。
また、 撮影したカメラアニメーションはシーケンサーに登録されるので、後ほど編集することも可能です。
Quixel の Rebirth で実際に使用されています。
こちらのオンラインラーニングでも紹介されています。
検証結果
とても役立ちました。
今回の動画では ふらふらした 1人称視点のようなカメラにしたいと思っていました。
僕はアニメーションが得意ではないので、この機能がなかったら、今回の動画のようなカメラアニメーションはつけられませんでした。
ただ、Wi-FiでiPhoneとPCがリンクされているわけなのですが、(僕の環境が悪いからかもしれませんが)遅延が酷く、Wi-Fiが弱いところだと、記録されたキーフレームアニメーションにもカクつきが反映されていました。
そのため、シーケンサーでアニメーションを調整する必要はありました。
High-Quality Media Export
UE4.25で追加されたレンダリングパイプラインです。
簡単な機能の説明
シーケンサーの動画出力の後継機能です。
アンチエイリアシングや Console Variables をレンダリング時に設定することができます。
そのため、レンダリング時のみ、レイトレーシングのデノイズをオンにしたり、調整するといったことが可能です。
また、透過情報付きのUIを別画像で出力することもできます。
試していませんが、リモートレンダリングも可能なようです。
「Window」→「Cinematics」→「Movie Render Queue」 で使用することができます。
検証結果
以前も一度、使用してみたのですが
既にシーケンサーでの動画出力に代わって使えるなという印象です。
今回はこれを使用して、.exr で出力しました。
UE4内で色味などの調整をしてしまうので、.exrで出す必要はあまりありませんが…笑
パスなどを出すことは、まだできないので、用途によっては、まだシーケンサーのレンダームービーの方が良かったりします。
あと、なぜかUE4側の表示では「.exr Sequence[16bit]」と表示されています。
ただ、実際に出力された画像を確認すると32bitでした。
Volumetrics
UE4.25で追加された ボリューメトリック系 のプラグインです。
簡単な機能の説明
3Dの雲を生成したり、流体などのシミュレーションも可能なすごいプラグインです。
ドキュメントは今のところないようですが、プロシージャルな雲、シミュレーション、ナイアガラなどの豊富なサンプルが含まれています。
PluginsでVolumetricsにし
Content Browserの「View Options」→「Show Engine Content」と「Show Plugin Content」にチェックを入れることで、コンテンツを見ることができます。
検証結果
今回の動画では、これを使用して、空を表現しようとしていました。
上記の画像「 Volumetric_Sky_Prototype_Map 」の方の雲は、動作的には問題ないのですが、クオリティが足りないなということで使用を断念。
その下の画像「 Volumetric_Sky_Prototype_Map_Planet 」の方の雲は、とても奇麗なのですが、重すぎて使用を断念しました。
全てのサンプル、ツールを見たわけではないので、実用レベルで使えるものもあるかもしれません。
本当に機能が豊富なので、またの機会に改めて詳しく見ていきたいと思います。
Megascans Bridge と UE4 の連携
全然、新しい機能ではないのですが、今回、初めて使ったので、一応。
Megascans Bridge とUE4を連帯できるプラグインです。
UE4でMegascans Bridgeのプラグインを有効にすることで、ワンクリックでUE4にMegascansのアセットをインポートすることができます。
やり方はこちらをご覧ください。
検証結果
便利すぎ。
今まで使わなかったのが、恥ずかしいレベルです。
ワンクリックでLODやマテリアルがセットされた状態で読み込まれるので、とても便利です。
今回のような、ささっとシーンを組みたい時などは特に重宝します。
ただ、フォルダ構造、ファイル名が、このプラグイン仕様になってしまうのがネックです。
特にディレクトリなど仕様を決めているプロジェクトではなおさらです。
仕様通りのフォルダ構造にする場合は、手作業での修正またはツールを作る必要があります。
ファイルのリネームに関しては、 Editor Utilityなどで割と簡単に作ることができます。
作成できない場合は、こちらのツールを使用しても良いかもしれません。
まとめ
UE5の発表で、待っていれば、ポリゴン数など気にせずに、こんなのができるなら、UE4で頑張る必要なくないか…と思いましたが
UE5はUE4のバージョンが一気に2、3個あがったような違いなようなので (何かでみたので定かではありませんが)
UE4をもっと勉強しといて損はないなと思い、テンションが上がった勢いで、今回の映像を作成してみました。
蛇足ですが
RTX2080Tiかつ、エディター上ではありますが、60FPS以上で動作しています。
UE4.25もすごいですね…
ほとんどがまだ、ベータの機能なので、今すぐ業務に使用することは難しいかもしれません。
ただ、既に使える機能もあるので、今後のアップデートに期待です!
UE4内でモデリング、スカルプトができたり、プロシージャルな3Dの雲ができたりと、すごい機能がどんどん増えています。
UE5ではそれが当たり前になっているかもしれません。
UE5の現在の情報ついては、UE4を使う上では欠かせないヒストリアさんのブログがわかりやすいです。
UE5のリリースが楽しみです!